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    • Contemporary Art 2.012展
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  • 桜の樹の下
    昨日3月17日はセント・パトリック・デーだ。5世紀ごろ、キリスト教をアイルランドに広め後に聖人としてまつられた聖パトリックの命日である。緑色のマントや衣裳をまとい世界各地でイベントが催される。

    昨年は震災により中止になったが表参道でも毎年、大々的なパレードでにぎわう。シカゴでは川をバスクリン(ウソ!フルオレセインという薬品だそうだ)で染めて緑色にしてしまったり、緑色のビールを飲んだりして祝うのだそうだ。そもそもアメリカに移住した大勢のアイルランド系市民が18世紀ころからはじめた行事だという。

    もうアメリカ・ワシントンの桜は満開とヤフーニュースに出ていた。異常気象のせいと言うが、今年の関東地方は、逆にかなり遅れそうだ。先週、代々木公園を散歩したら、つぼみが大きくなってきてはいたが。ところで園内工事が気になった。毎年、花見宴会が一番集まるスポット周辺で大がかりな土木工事がされていたのだ。満開のころには終わっていて欲しい!

    ところで檸檬(れもん)という小説が有名な梶井基次郎の散文詩に「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる」と言うのがある。昭和三年に書かれたこれも有名な散文詩だが、久しぶりに読み返すと何とも言えぬ感覚的でエロティックな世界に驚いてしまう。

    「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!
     これは信じていいことなんだよ。何故(なぜ)って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。」

    で始まり、最後の方にこういうフレーズもある。

    「お前は腋(わき)の下を拭いてゐるね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。べたべたとまるで精液のやうだと思つてごらん。それで俺達の憂欝は完成するのだ。」
    (インターネット図書館青春文庫よりhttp://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/427_19793.html

    彼がゲイだったのか、それともこれは意味深長な暗喩なのかは詮索する必要はまったくない。スバラシイ文字世界だ!なんともいえない隠微なコトバがかもし出す少女のようなか細い震えが普遍的な精神世界に昇華されている。これじゃ、かの天才プラトンだって詩の力を恐れて排斥するよね。

    自分たちの世代にはモロ見えAVよりもこういうエロティズムのほうが興奮するかもしれない。なんか若かりし頃、友だちから借りてこっそり楽しんだスクリーン別冊か、ロードショウかどちらで読んだかは忘れたけど、プルーストの小説を読みながらオナニーする少年の話があった。さすがプルーストで抜けるほど創造力はないなぁ(笑)

    坂口安吾も戦後まもなく「桜の森の満開の下」という短編を残している。これはシュールで寓話的ストーリーだ。ところで今、桜葬というのがあるそうだ。(http://www.endingcenter.com/sakura/)エンディングセンターという、とてもわかりやすい名前のNPO法人が主催している。恐らく梶井の作品から設けられたのだろう。つまり墓石や墓標が桜の樹なのだ。

    自分だったらさしずめ、青テープ葬かなぁ。エジプトのミイラのように青テープでグルグル巻きにして、、、。でも献体登録しているから一応、医学生たちの解剖教材になっちゃうんだ。

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