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    • Contemporary Art 2.012展
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  • イスタンブール滞在記 7
    朝起きるとワカンさんが朝の散歩から戻ってきていて時間がおかしい、食堂の時刻と自分の腕時計とあっていない、と言う。そう言えば昨夜ホテルのお兄さんがそんなことを言っていたような気がした。サマータイムが昨日で終わったのだ。いつもだったら朝食の始まる8時だが、一時間遅れてまだ朝の7時だ。

    日本と6時間の時差だったのが今日からは7時間になる。

    11月1日、今日も快晴。気持ちいい。寒暖の差は激しく日中は汗ばむくらいだが朝晩は冷える。

    送迎バスで会場へ向かう。ここで昨日、自爆テロがあったんなんて考えられないほど平穏な状態のタキシム広場。

    今回、同じグループから数人の外国人も来ている。デンマーク人で現在ギリシャに住んでいる背の高くて大人しいカヌートさん、コソボ生まれでオランダに亡命したシェフケッさん、トルコ領キプロス人の学校の先生をしているズーレさんなど。

    ギリシャ語ができるというカヌートさんとギリシャ語を話してみるがまったく忘れている。それにイタリア語と混同してうまく話せない。コソボ生まれのシェフケッはダンディでとても英語が流ちょうだ。彼とはコソボやセルビア問題のことで話し込んだ。

    自分は昨年、ベオグラードの国際フェスティバルに呼ばれパフォーマンスを上演した。そこでセルビア人たちはいろいろ良くしてくれた。しかしコソボ、アルバニア人にとっては忘れられないほどの憎悪の対象なのだ。

    彼は内乱が始まる前にオランダに亡命したのだという。親戚、友人は殺され両親の死に目にも会えなかったと語る。戦争当時のセルビア人の残虐な行為は信じられないほだったらしい。母親の中にいる胎児の男女に金を賭け、生きたまま腹を切り開いて嬰児の男女を見分けた兵士たち。息子の目玉をくりぬき父親に食わせた兵士たち。今でもセルビア人は自分がアルバニア人だとわかると憎悪の感情をにじませ挨拶も一言もないという。

    ベオグラードに滞在した時の彼らは明るかった。日本で活躍する名古屋グランパスの監督ストイコビッチ(ピクシー)を自慢するひょうきんないい人たちだった。しかし親父の跡を継いで兵隊になりアルバニア人を殺すんだ、と笑顔で拳を振り上げる青年もいたことは確かだった。

    そんな旧ユーゴスラビア問題。死んでも死にきれぬ忘れることのできない悪夢を抱えている人たちが大勢いるのだ。人間は本当に愚かだ、と彼は何回も言った。自分は彼のその話をただ黙って聞いているしか出来なかった。

    サクッと着替えてまたFree Shake Hands Projectを始める。さすがに週末ほどの人出はなかったが、あっという間に人だかりができる。ブックフェアに来ている小中高生などの集団が流れてくると蜂の巣をつついたように騒がしくなる。

    あまりの人気に主宰者たちや参加者たちのやっかみさえ感じてしまう。はるばる遠く日本から自費で出来ているのだ。思いっきり宣伝しなきゃ!これからもあおひと君、世界を回るぞ!

    このパフォーマンスをやっている最中、一生懸命に話しかけてきたり友人同士で話あったりしている。彼らの会話はまったく理解できないが自分が見えているとても狭い視界を映画化できたらいいかも、とふと思った。子供や女の子、若者たちがあーだこーだ、と話しているのと彼らの仕草がマルコビッチの穴のような視界で見せられたら面白い。人々の反応を映像作品でもつくれる。

    今回も何10分もずっと自分をイジる中学生?高校生?の4人組がいた。なんとか話させようと片言の英語で話しかけたり一生懸命だ。自分はじっと我慢、動かず話さず。毎回、何組かは笑いのツボにはまるのか、とても熱狂的に気に入る人たちがいる。こちらとしてもそれは光栄なんだがあまりにもしつこいと我慢するのがとてもツライ。

    ストリートでやると酔っぱらいかジャンキーっぽいのにからまれるから少しリスキーだ。しかしかぶり物は強い。いくらド派手な服装でもかぶり物には勝てない。

    市内に戻るとワカンさんがラバーブを値切ることに成功、三回、通ってついに買ったと興奮気味に語った。500リラから350リラまで落としたそうだ。かなり時間をかけたカイがあったと思う。

    おみやげ屋さんでも意外と値切らない。半分まで落とせれば上出来だ。だいたい2〜3割までが精一杯だった。

    こちらの人たちの表現に共通しているのが、買わなくてもいいから、見たからって買う義務ない、とか、もし君さえよかったら、とかならず相手を尊重し意見を押しつけたりしないような誘い方をする。またこれが食わせ物なのだ。ついついのその言葉に乗せられて買ってしまう自分。悔しいかな、一回だけ日本語のめちゃくちゃ流ちょうな店員にほだされてお菓子を買ってしまった、とほほ。

    写真:自爆テロのあった場所。
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    Free Shake Hands Project
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    エジブシャンバザールの香辛料店
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