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  • ビットコインとポストトゥルース
    昨年、ビットコイン(仮想通貨)の流通が増大したという記事がネットに流れていました。

    金融界の2017年は仮想通貨とブロックチェーンの年になる by 野口悠紀雄(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問)

    それで仮想通貨(ビットコイン)についてググると、とても複雑怪奇なしくみでした。

    ビットコインニュース

    あくまでも自分の理解ですが、データベースが一極集中型ではなく、分散型ということらしい。

    ネット上である取引をすると、あちこちに散らばるすべてのデータベースに、その取引情報が、同時に?書き換えられるというのです。

    そのなかでもっとも画期的で、難しいことは、「合意形成」(ビットコインではマイニング)と呼ぶ、無数に点在したデータベースに、同時に上書きする権限(正しい取引がどうかの審査)にあるといいます。

    これによって、いままでの中央集権型データベースだと、管理者、内部者の不正や、ハードディスクなどの故障、破壊によるデータ消失が起こりえましたが、あらゆるところに、たくさんの「正しい情報」が存在するので、そのリスクがなくなるといいます。

    今年から三菱東京など、大手銀行も仮想通貨に参入していくそうです。

    ここまで書いて、ふと「ポスト・トゥルース」という言葉が頭をよぎりました。

    この言葉は、オックスフォード英語辞典による、2016年を象徴する「今年の単語(ワード・オブ・ザ・イヤー)」に選ばれています。

    意味は「世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えるものより影響力を持たない状況」。

    オーバーに例えると、「真実(事実)は多数決で決まる」ということです。

    この「真実」という言葉、とてもキーワードのような気がします。

    先回、中世ヨーロッパ宗教時代を「世界の魔術化」だと書きました。

    当時は、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教など、宗教が生活や知を支配し、神がいて、かつそれが真実でした。

    ところが、16世紀になり、ルネッサンスが花開き、デカルトやガリレオなどが科学への道をひらき、真実は、神以外にも、客観的事実として、存在することになりました。(あくまでも西欧中心の歴史での解釈ですが)

    そこから時代は、個々の能力に光があたるようになり、個人という存在が確立し、民主主義が生まれ、産業革命、フランス革命を招き、個の力を発揮できる社会へと大きくカジを切ることになりました。

    主観的事実から客観的事実へ!

    20世紀なると、ますます個は強くなり、科学は発展し、物理学では「もの」の最小単位も見極めることができるようになり、天文学では、138億年前の宇宙の起源まで遡ることができるようになりました。

    そして、それらの事実は、中心に居座る権威が、正しいと認めればよく、上意下達(じょういかたつ)でした。なぜなら権威者しか、多数へ向かって意見が発せられなかったからです。

    普通の人たちには意見を、容易に発信する手段はありませんでした。

    ところが、ビットコインのように正しい根拠が、無数に存在する時代です。

    ツイッターで大多数が、これだ!といえば、それが正しいことになってしまう時代です。

    イイネ!がたくさんつけばつくほど、イインです!

    トランプ次期アメリカ大統領の勝利を、マスメディアは、ポピュリズムだと批判していました。

    そんな事実・真実を追うマスメディアは、いつからか、ネット情報の、イイネ!をニュースに取り上げるようになってしまったのです。

    事件現場が、街中からバーチャル広場にとってかわったのです。なにせ取材費がかからず、安上がりです。

    マスメディアはどんどん、キューレションサイト(ネット情報の寄せ集め)のようになるのでしょう。

    トランプ次期大統領は、記者会見をツイッターでやると言い、もし、それをほんとうにやるようになったら、新聞もニュース番組も、グッと存在価値が減りますね。

    個人的にも不特定多数の世界へ向かって発信できるので、なるべく多くに受けいれられるような発言を選ぶようになるでしょう。

    嫌悪させる発言や、みんなと違う意見は、すぐに炎上してしまうのですから、気の弱い人はたまりません。

    ということで、それまで信じていた真実が、ぼやけてきたのではないでしょうか。

    真実は、以前のような金科玉条の不動のものじゃなくなった。もう重要じゃあない。重要なののは、どれだけネットワークに拡散されているか、なんですね。

    だからポスト・トゥルース。

    私は、確固たる真実を実感できないと、フワフワと自己が蒸発していきそうな気がします。

    高校卒業してすぐ、ギリシャへ留学したとき、ある日、自分の魂が体から抜けていくような、死ぬより怖い感覚に襲われたことがあります。

    そのとき必死に「自分はここだ!」と心で叫びながら、魂を引き止めました。

    どうもそれはパニック症候群だったらしい。

    やはり人間は、これだ!という1つか2つの確固たる真実の足がかりがないとダメなんですね。

    だからお金が、どんどんと真実の王様になるのは止らない、やめられない。

    恐らく、男性と女性は、このへんの感覚は違うと思いますが。。。

    あ〜今年もやっぱりヘリクツ書いてしまいました。
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