2012-12-03 17:46:19
暴走する米国防総省と議論が出来ない日本人

先週、土曜は6月に個展をやったコエグジスト・トーキョーで、「辻憲行×丹羽陽太郎ギャラリートーク オルターモダンの条件」に行く。http://www.coexist-tokyo.com
トークのあとは、森近徹氏のサックスソロ。どちらも丹羽陽太郎氏のインスタレーション作品にうまく絡んで、とても面白かった。

写真上:辻憲行トークショウhttp://gjks.org/
下:森近徹ソプラノサックスソロhttp://Istanbulutoko.jugem.jp/
日曜は、アップリンクでの米軍の実態を暴いた、とてもショッキングなドキュメンタリー映画
「誰も知らない基地のこと(Standing Army)」
&ジャーナリスト岩上安身氏トークショウに行く。
http://kichimondai.com/theater/
映画って何年ぶり?に見た。この映画は、いまの日本の政界財界マスコミなどの不自然な動きを裏付ける、重要なカギを提示してくれている。
アメリカはいま、国防総省に乗っ取られつつあり、その触手が日本にも、はげしく絡みつつあるのだ。上映後の岩上氏のとてもわかりやすいトークで、それがあぶり出された。
世界の国防費の半分の6500億ドル、2位中国のなんと5倍。米軍154万人で25万人が海外に。世界にあるアメリカの基地は誰もその数を知らないというが、公表では40カ国、666基地。1位ドイツで232カ所、2位日本109カ所(うち74%が沖縄にある)という。
知っての通り、思いやり予算を、払っているのは日本だけ。それも年間約6500億円。ドイツも韓国も基本的に払っていない。もちろん、はっきりした数字は隠したがるのでわからないが、とにかく日本はダントツ1位!
なぜなら、日本ほど順じゅんな国はないのだそうだ。払えっていえば払う、やれっていえばやる(対米追随国家)。それを、アメリカ海兵隊出身でCIAにも務め米軍側人間で、ある時、180度考えが変わり、反米軍的になったチャルマース・ジョンソンという国際政治学者が述べている。
また彼は「私は憶病な鳩山由紀夫首相よりも、傲慢な米政府を非難する。基地を維持することに取り憑かれ、受け入れ国のことを顧みない」、「普天間の返還とともに、米国は沖縄の人々に対して65年間もの辛抱に感謝すべきだ」とも発言した(ウィキペディアより)。彼は、今回の映画にも登場している。残念ながら2010年に亡くなった。
岩上氏いわく、昨年アメリカ議会では国防権限法(NDAA)という愛国者法以上の強権法が成立。これは、国防総省長官がOKすれば、誰でも逮捕でき裁判も弁護士もなにも許可されない、という北朝鮮の拉致を合法化したような法律で、つまりアメリカは国防総省の権限がとても強くなっていて暴走しはじめている、と指摘する。
それで今やアメリカに7人にひとりはフードチケット(低所得者の保護サービス)をもらい、世界の囚人約1000万人の4分の1にあたる240万人(米国民の100人にひとり)が収監されて、低賃金労働者として働かされているのだという。彼らは私設刑務所で収監料を払い、低賃金を稼ぐが、ある囚人は借金を背負って釈放されることも、おこるのだ。もう世も末の状態。
米軍が、一日に消費する石油はスエーデンの一年分にあたるとか、とにかく毎日、維持費に莫大な金がかかり、それが軍産複合体にもながれ、サメが泳ぎを止めたら窒息死するように、常に資金を補給していかなくてはならない。
だから、日本に眠る1000兆円の金を狙い、市場開放、軍需品を買わせ、たとえばオスプレイや、今度はパトリオットミサイルだ。とっても尖閣問題も、竹島も北朝鮮のミサイルも、わかりやすい。
アーミテージ、ジョセフ・ナイ、ジェラルド・カーチスなど代表的なジャパン・ハンドラーたちが暗躍し(いまや公然と行動するようになっているが)結果、憲法改正や国防軍、TPP、ACTA、原発推進につながり、マスコミが全面バックアップし、それに抗うものは不審死、ねつ造されたスキャンダルによる失脚、ビビって初志を引っ込める政治家たちなど、例をあげれば、枚挙にいとまがない。
など以上のようなことは、孫崎亨氏の書籍や、岩上安身主宰IWJで録画をみられたり、会員になるとメルマガで、他では得られない、いろんな時事ネタも配信してくれる。
詳細は:http://iwj.co.jp
明日、その勢力図の色分けを決める重要な総選挙が、公示されるが。。。
もし、対米追随がイヤな政治家は外交で、もの申すしかない。反論するしかない。その前に、あっちに迎合する官僚をなんとか説得するしかない。偉そうなこと言ってても自分は、高みの見物、犬の遠吠え、対岸の火事なのだが。
ところで、なんでも言うことの聞く政治家に限らず、自分を省みると、つねづね思うのがー
■なぜ、日本人は議論がうまく続けられず、すぐに感情的になってしまうのか。(結果、議論に負ける、損をする)
■激しい口論をすると、その場で終わらず、悪感情を引きずる。(友情やクライアントを失う)
■結果、議論や言葉の説得よりも、その場の空気、和の維持に重きがおかれ、それを乱すものは、はじかれる。(イジメや個人的人権の軽視。差別の原因)
ちなみに、ここに書かれていることは、あくまでも自分の私的見解です。一般論じゃないです。防備録です。
とにかく、これだけ国際的に開かれ、いろいろな人種が行き来して、生きていかなければならないのだから、議論の本来の目的、つまり自分の掲げた主張を、いかに相手に納得させ、悪いところはその場で認めブラッシュアップして主張を高め、伝え、説得するということは、不可避なのだ。
外国人にまず、アウンの呼吸を、言葉で説明して、納得してもらえなければ、アウンの呼吸は通じない。
たとえば、反目する勢力が対峙した議論、討論をみていると、その文言や内容ではなく、なぜか意地の張り合い、言い争いで、本末転倒、枝葉末節、挙げ句の果てに、それを発する人間批判になり、テーマの結論を導き出すところまで、なかなか行き着けない。いい例が、テレビなどの討論番組や、国会で繰りひろげられている政策討論だ。
その理由がわかれば、政治家も、今より少しは交渉上手になれると思うし、政策議論だって、一任逃亡やら、骨抜き議決だって、なくなるんじゃないだろうか。もちろん、以上にあげた点を、そつなく上手にやりこなす人もたくさんいる。でも、みんなが出来ないと、条件がそろわないと結局、既得権益、その場のパワーバランスで帰結する。
自分がなぜ、このようなことに思い至ったか、といえば、自分のプライドの高さに迷惑しているからなのだ。いつも相手が発する言葉で、心が乱される、もしくは自分を閉ざしてしまう。
もっと冷静になって、相手の忠告や言葉を受け入れられれば、もっと楽しく生きられるのに、と、ほんと後悔することが多々あるだからだ。(つまり素直じゃない、頑固ってことだけど。まあ、それはアートに関していえば、必要な武器なんだけどね)
ところが最近その理由、つまり議論がうまく出来ないこと、すぐ感情的になること、後味の悪さや後に引きずる感情、嫉妬しやすく、仲間はずれなどが生まれやすい意識。
よく言えば、日本人の美意識、和を尊ぶ性格。悪くいえば、陰湿で表裏のある二面的な性格。
それら日本人特有といってもいい性行が、あるひとつのところから生じていることを見つけ出したのだ。そのわけを明白にさせてくれた科学的な推論にぶち当たったのだ。
その目からウロコのキーワードが、「地上の視点」「神の視点」だ。
長くなったので、続きは次回に。