ARCHIVES















    • Contemporary Art 2.012展
      記事掲載
















  • イスタンブール滞在記 6
    夜、疲れ切って戻ってシャワーを浴び、さっぱりしたら疲れが抜けた。ホテルで寝てられなくなったので二人でタキシム広場へ行くことにした。

    タキシム広場から市内一の繁華街イスティクラール通りが走っている。おしゃれな店が左右にならびヨーロッパと変わらぬモダンな大通りだ。車は基本的に通行止めでパトカーや作業車、あと一両編成のかわいい路面電車が行き交うだけ。

    常に人であふれるイスティクラール通りだが週末の夜のせいか、今夜は異常に人が多い。渋谷センター街なんか比べものにならないくらいすさまじい。裏通りに抜けるとびっしりとレストランやカフェ&バーのような店が並び人があふれている。

    ハロインなのか仮装した客がいたクラブっぽい店は満員で店内を見学だけして近くの学生街のパブのような小じゃれた店に入る。EFES(エフェス)という地元ビールの大ジョッキで300円弱。それもけっこう美味しい。客は大学生っぽい若い人が多い。

    トルコは国民の90%以上がモスリム(回教徒)だが、政教分離がとてもうまく機能している。だから酒も売っているしタバコも女性の服装も社会進出も欧米と変わらない。

    外に出るとイスティクラール通りは変わらぬ人混みだ。きっと朝までこんな調子なんだろう。自分たちは最終電車に間に合うようにホテルに急いだ。酔っぱらいもいないしヤンキーっぽい若者もみんなちゃんとぶつからないように避けるし彼らのマナーはすこぶるよかったのが印象に残る。

    31日は朝から快晴だった。

    今日、ワカンさんは市内観光へ。自分は会場に行き7月にポンピドゥーセンター広場でデビューを飾ったフリーシェイクハンズプロジェクトをする。皆さん、握手しましょう!というパフォーマンスだ。今回の滞在では市内観光はしないで毎日パフォーマンスやるつもりだ。

    会場に向かう前少し時間があるので、近くにあるグランバザールに行くことにする。バではなくパザールと発音するらしい。

    パザールはまだオープンしたばかりなのか空いていた。お土産屋がびっしりと並ぶ。布、アクセサリー、お菓子、絨毯、香辛料、服どれも色艶やかだ。店員が次々と声をかけてくる。見るだけでいいから、としつこく誘ってくるが冷たく無視だ。

    ワカンさんがある骨董屋の片隅に弦楽器を発見。ラバーブというアフガニスタンの民族楽器らしい。値段を聞くと500TL、約3万円弱だ。値切ってみるが値段は落ちない。

    とても珍しい楽器らしく弾かせてもらう。すると軽やかなアラビアンナイトのような中近東特有の音色を発した。胴に厚みがあり共鳴弦が多いのでキラキラする音がする。素人の自分が聞いてもクオリティの高い品だと思った。しかし安くならないので今日のところは諦める。三回くらい通って愛をしめせばきっとかなり値切れるよ、とワカンさんにアドバイス。

    自分はトラムで終点のカバタッシュから地下ケーブルカーでタキシム広場へ。海岸線にあるカバタッシュから丘のうえにあるタキシムまではケーブルカーでないと斜面が急すぎて登れないようだ。

    駅を降り地上に出ると人々がみなそろって同じ方向を眺めている。低空にヘリコプターが飛び交いずいぶんと騒がしい。何かあったのだろうか?

    とりあえずバスがきたので乗り込んだ。今日はトルコのパフォーマンスグループが上演する。会場入り口はすでに老若男女たくさんの見学者で賑わっている。

    ブースに着くやいなやトルコ人の仲間が今朝、テロがあったと開口一番に言ってきた。自爆テロが送迎バス乗り場のタキシム広場であったという。自分がそこを通りかかったときの騒ぎはテロのせいだったのかと思う。かなり負傷者も出ているらしい。

    自爆テロなんて遠い国の出来事だとばかりと思っていたが現実に遭遇することになるなんて思いもよらなかった。後から知ったのだが警察官を狙った自爆テロで死者2名、負傷者32人におよんだ大事件だった。

    トルコはクルド民族の独立問題がある。今回もその組織の犯行らしいがそれは建て前で、本音を言うと欧米にとってトルコは地政学的に重要な位置にあるため、国家力が増したり経済発展されては困るのだそうだ。

    黒海油田、天然ガスの通り道ボスポラス海峡の所有、それらのパイプライン、イラン、イラク、シリア、ギリシャ、ブルガリア、グルジア、アフガニスタンなどヨーロッパとイスラム国家の国境に挟まれている外交的にも重要な立ち位置だ。

    今回の犯行もトルコ人らはCIAの仕業だと言う。テロをおこしトルコは危険な国だ、と喧伝する。観光客が減るしイスラム教の悪いイメージも重ねられる。テロの成果を狙うなら土曜の夜とかの方が被害は想像を絶するほどひどいはずだ。だが一番人出のすくない日曜の朝10:30に遂行している。

    街中にはブルカをまとった女性が多い。現在、トルコ政府は保守派が占めているため国としてはイスラム教優遇の傾向らしい。でも自由なファッションの女性もブルカをまとった女性もお互い仲がいいしそれもファッションの一部だと思っているのかそれほど気にはしていないようだ。

    アルパーさんのパフォーマンスが始まる。トルコの有名な民族舞踊にセマーというクルクル回る旋舞がある。彼はそれをパフォーマンスに取り入れバイオリンの演奏をバックに回る。よく目が回らないと感心する。なんと4時間、回っていたこともあるそうだ。

    彼の上演が終え、Free Shake Hands Projectの準備にとりかかる。自由に握手しましょう!(LUTFEN ELIMI SIKIN)というフレーズをトルコ語で教わり、それを書いた紙を用意する。

    さっそく人々が興味深げに立ち止まりはじめる。このパフォーマンスは人間彫刻だ。決して動いたり口を開いてはいけない。ただ握手をしたときにメルハバ、こんにちは、と答えることにした。

    パリでもそうだったが、彼らの会話がまったく理解できないのが幸いだ。きっとひどいことも言っていると思う。わかったら黙っていられなくなるだろうし、つい返事をしてしまうだろうし、気持ちが動揺して長い間じっとしていられないだろう。

    あおひと君はトルコの人たちにも大人気。人形だと思っている人も多く、二の腕や体をつっついたり握手をしてみてメルハバと答えると人間だ〜と驚いていたりする。自分でもなぜこんなに受けるのかわからない。特に若い女子供にはよほどこういうモノは珍しいのか大笑いしながら寄ってきていろいろ観察したり握手をしてくる。

    トルコの女性は積極的だ。見た目は上品でおしとやかに見えるのだがなかなか、けっこう気も強そうだ。現地の人が言うにはイスタンブールでは20%くらいの女性が開放的、自由な考え方で残りは保守的だそうだ。つまり結婚するまで貞節を守る。

    この日、Free Shake Handsパフォーマンスを約3時間行った。体がおかしくならないか、手はあげたままで疲れないかといろいろと聞いてくるが、自分は動かずにじっと固まったままのポーズでいられる。ヨガでやる呼吸法をしながら思考を風船のようにふくらませると瞑想に似た状態になる。すると体が微動だにせず固まる。たまに腕や足の位置を少しだけ動かすが苦痛とかしびれることがほとんどない。

    2日目も無事終わり、帰り送迎バスがテロのあったタキシム広場に戻る。が、すっかり現場は事件の影響の跡形もない。人はいつもと変わらずあふれているし、警察の厳しいチェックもないしまったく普段とかわらない状態。さしずめ日本だったら現場検証やらマスコミの取材陣で異様な光景になっているはずだろう。

    写真はグランパザール
    16granbazar.jpg
    Free Shake Hands Project
    14-2fsh.jpg
    アルパーさんパフォーマンス
    12aper.jpg
    HORMONE SEKINE OFFICIAL SITE | comments(1) | trackbacks(0) |
    イスタンブール滞在記 5
    朝、目覚めるとすぐに窓をあけ天気を確認。曇り空だ。胸をなで下ろす。雨さえ降っていなければOK。最近、雨男になっていたので気が気ではなかった。

    ホテルの朝食は素朴なトルコの定番スタイルだ。飲み物、パン、ベヤズ・ペニルというギリシャのフェタチーズに似ているが味はとてもあっさりした白いチーズと黄色いエレメンタールチーズ、好物のオリーブの塩漬け、ゆで卵、キュウリとトマト、ヨーグルト、バターとジャム、甘いパウンドケーキなどのバイキング形式だ。ちなみにコーヒーは濃い目のインスタントのネスカフェ。

    トルコはギリシャ同様、粉を一緒に煮てつくるトルココーヒーかインスタントしかない。基本的に紅茶を飲む人が多い。どちらもとても美味しいし安い。

    イスタンブール市内にはトルコ料理の店以外ほとんど見かけない。どれも個人商店らしく味の濃いところがあれば薄味など味が店によって違う。世界三大料理のひとつと言われるだけのことはあるのか、ヨーロッパの大都市では必ずある中華もイタリアンレストランもほとんどない。タキシムなどの中心街ではスーターバックスやマクドナルド、KFC、ピザハットなどのファーストフードチェーンも見かけるが数はとても少なかった。

    朝食を終えると荷物が多いのでタクシーを呼んでもらう。送迎バス乗り場はタクシム広場にある。タクシー代は2人で10.5TLだった。トラムだと一回乗り換えるから一人3TLでタクシーと大差ない。

    イスタンブールは交通網が未整備なためかタクシーの量もハンパじゃない。フィアット製の黄色のボディーがミツバチのようにあちこちに走っている。ガソリンが高い割りに料金は安い。基本料金が2.5リラ程度。でもすぐにメーターは上がっていく。

    今回参加するイベントは「ISTANBUL ART FAIR /Artist2010」だ。

    W−AFPIAAPの招待を受けた。このグループは世界中のアーティストから作品を集めそれで平和の壁をつくるという活動をしている。愛と安心のテーマにぴったりだったのでメールで問い合わせたら是非パフォーマンスを、というのでこの日に至った。

    しかし招待と言っても旅費まででない。事前にスポンサー探しをしたが見つからなかった。仕方なく自費で資金を捻出、といっても借金だ。

    そろそろ首がまわらなくなってきた。まあ、そのときはそれまで。出来るところまで突き進むことにしている。人事を尽くして天命を待つ。インシャラー!

    創作活動を続ける一番の問題は経済的なことだ。いままで何回も助成金を申請しているが一回ももらったことがない。アサヒビール、ポーラ化粧品、朝日新聞、文化庁、、、。

    若くて学生とかだったら可能性はあるだろうが、歳くって学歴なしアカデミックな組織とのつながりも皆無な自分はほとんど助成金などはもらえないだろう。生活が成り立たず途中までいい線を行っても続かず筆を折るアーティストたちを数々見ている。

    それはそれでライバルが減るからいいかもしれないが、結局、長い目で見れば日本のアートへ対する需要や関心が増えないことにもつながるのだ。

    グチっぽくなってしまったので話を戻します。

    アートフェアなので画廊中心の展示会だが、自分の参加するグループはIstanbul Invisible(見えないイスタンブール)と副題を表した企画展示に出品。トルコ国内以外にもドイツ、オランダ、イタリア、スペインなどヨーロッパからも数多く参加している。

    渋滞の中、1時間ほどかかって会場に着く。TUYAPという国際展示場でアタチュルク国際空港より先で遠い。このあたりもかなり開発がすすんでいて近くに高層ビルのラマダホテルやマクドナルドがあり無国籍な商業地域と化している。

    昨日、半分以上のブースは準備ができていなかったのに今日来たらきれいに絵で壁が埋まっている。チェコのときもそうだが、こちらの国は仕事の進行とか過程はおおざっぱすぎるが最後はちゃんとまとまるのだからマカ不思議。

    日本では結果よりも過程とか進行状態の方が重要な感じがする。こちらは結果をよりよくするためには途中のことは気にしないようだ。と言っても日本人ほど組織的できっちりしている国はないけど。

    パフォーマンスは午後2時からだ。だんだん緊張感が高まってくる。人が増え始める。会場内にBGMが響いているので主宰者のセブジさんに上演中は止めてもらうよう会場側と交渉してもらい、2時から1時間止めてもらえることになった。

    上演時間が近づいてきたので準備を始める。ここには楽屋がない。その場で人目を避けて着替える。自分は納得すればストリートから舞台までどんな環境でも状態でもパフォーマンスをやるのがモットーだ。

    会場内のBGMが止まった。三味線奏者ワカンさんが先に行き音を出し始める。続々と人が集まり始める。

    今回のパフォーマンスの内容は基本的な構成にした。白い袋にはいって進み中からジェット風船を飛ばし、袋からでると自分で体にブルーテープを巻き付ける。このネタはデザインフェスタなど2003年頃からたびたび上演している。

    ただ今回は最後にひと工夫入れた。テープにがんじがらめになった格好でライブペインティングをするのだ。「愛」と「平和」の青い色の文字を漢字で書く。

    さあパフォーマンス、スタート!白い布袋にはいってゆっくりと観客のいる方へ進み始めた。

    無事、約30分ほどのパフォーマンス終了。でも途中、いきなり会場のBGMが飛び込んできた。海外は何がおこるかわからない。言葉もこちらの意図がちゃんと通じているとは限らない。とにかく何事も終わってみないとわからないのが海外公演だ。後から聞くにはどうも係員の引き継ぎがうまくいっていなくてBGMをかけてしまったようだ。

    それはともかくたくさんの人たちにお褒めの言葉をもらう。いつになっても喜んでもらえると今までの苦労も悩みもすっかりきれいに忘れてしまう。次は3日後、水曜にもう一回やる。

    セブジさんに終わってから食事に行こうと誘われたが、かなり疲れたのでホテルに戻ることにした。

    写真はアートフェア会場。このようなホールがもう一つある。とても大きな展示会だ。
    09venue.jpg

    パフォーマンス上演
    07performance.jpg
    HORMONE SEKINE OFFICIAL SITE | comments(0) | trackbacks(0) |
    イスタンブール滞在記 4
    ハマムですっかり温まったのでこのままガラタ塔へ行くことにした。

    スルタンアフメット駅からアジア側イスタンブール中心地を横断するTRAMVAY(トラムヴァイ)に乗る。駅へ向かう途中、レストラン街で客引きが次々に声をかけてくる。中には流ちょうな日本語で話しかけるボーイもいて一瞬、足が止まってしまう。

    トラムの乗車賃は全線1.5TL(約85円だが2日後に1.75TLに値上がった)。ルーレットに使うチップと同じようなプラスチック製のジェトンを駅の近くの自動販売機や店で買う。駅は一般道に併設されているからそのまま乗ることも出来る。各駅に係員はいるのだが誰も無賃乗車をするような者はいない。

    ガラタ橋を渡ってキャラコイ駅で降り急な坂道をのぼっていく。イスタンブール市内には東京ではあり得ないほどの急な坂が至る所にある。自転車が普及しないわけだ。

    ネットに書かれていたのだがこのあたりに公娼街があるらしい。でもそのようなところは見あたらなかった。

    丘のてっぺんにたどり着くやいなやライトアップされたガラタ塔が視界に飛び込んできた。高さ64m。6世紀に灯台として建てられ14世紀に立て直され幾度かの改築を経て現在に至るそうだ。

    塔の下には観光客の長い列が出来ていたので昇るのを諦める。すると遠くから民族楽器の音色が響いてきた。それは広場でサズと言うトルコの民族楽器を奏でる若者グループからだった。

    彼らは自分たちが興味深げに眺めているのに気付くと話しかけてきた。日本からきたと言うと喜んで再び演奏しだした。一人が踊り出し手招きするので自分も明日のパフォーマンスの肩慣らしと思い見よう見まねで踊る。それを面白そうに眺める人たちの笑い声が上がる。

    彼らはトルコの首都アンカラから遊びに来ていると言った。三味線奏者ワカンさんはサズを借りていろいろ弾いてみている。乾いた、でもとても哀愁のある弦の音色が夜のイスタンブールに響き渡る。

    さあ、明日はパフォーマンスだ。再び急な坂道を下りながら気持ちが引き締まっていくのを感じた。

    この2年間、4カ国で上演している。チェコ、ハンガリー、セルビア、フランスそして今回のトルコが5カ国目だ。しかし何回やっても緊張する。もちろん日本で上演する場合もその感覚は変わらない。

    いつも上演前はスポーツ選手のイメージトレーニングのようにパフォーマンスの流れを思い描く。ただスポーツ選手とまったく違う点はそのための練習をしないことだ。共演者とはおおざっぱな流れを書いた絵コンテなどでキッカケや構成を説明するだけだ。演劇のような台詞の入った台本はもちろんないしダンスのようなコレオグラフィーもない。

    今まで最高で2回ほど練習をやったぐらいだ。今回は来る前に1度だけキッカケ合わせをやった。本番はあくまでも即興である。なぜならリハーサルとか稽古をするとエネルーギーが減ってしまうのだ。そのときに全霊全エネルギーを放つ。

    慣れが一番怖い。緊張感と不安に押しつぶされそうになる状態を保つのだ。今までの経験ではその重圧があればあるほどいい結果が残せている。

    そのかわり日々の筋トレやランニング、剣術、ヨガなどの体作りは欠かさない。鍛えることでエナジーを蓄積させる。

    もちろん食べ物にも神経を使う。基本的に菜食中心。食べ物は大切だ。

    人間も宇宙のとてつもなく巨大なサイクルの一部にいる。素粒子、原子、分子、細胞、生物、地球、太陽系、銀河系、全宇宙がすべて大きなエネルギーの共振の中で調和している。

    だからそのリズムを忠実に受け取り伝えることが大事だと思っている。そのためにはなるべく自然な大地と太陽や水に多くふれたなるべくリズムのブレの少ない食物を口にすることが大事なのだ。現在では難しいことだが心がけることだけでも必要だと信じている。

    明日は10時の送迎バスで会場へ向かう。
    さあ、ホテルに戻って明日の荷物の準備でもするか!

    続く

    写真はガラタ塔とサズをひくアンカラの若者とワカンさん

    06garata.jpg

    05garata.jpg
    HORMONE SEKINE OFFICIAL SITE | comments(1) | trackbacks(0) |
    イスタンブール滞在記 3
    旅に持っていたACERモのバイルパソコンはタッチパネルがおかしくてすぐにウエッブのCGIページが前のページに戻ってしまい、それまで苦労して書いた文章が全部消えちゃうわ、ポインターがあっちこっちに飛び跳ねて使いツライったらありゃしない。

    その上、普段はマックなので、現地でブログを満足に書けないまま昨日、帰国。

    これでやっとちゃんと書けるので前回の続き行きます!

    イスタンブールは鉄道などの公共機関が市内中心部以外はほとんど発達しておらず、みんな車を使っている。だから三車線ある高速道道路も四六時中、渋滞状態。

    車はフィアット、ルノー、オペルが圧倒的に多い。国産車はトヨタとホンダが少し。ニッサン(こっちではダッツン)やハンガリーでは多かったスズキなどほとんど見かけない。

    こんなに車社会の割にはガソリンは高い。3.7トルコリラ(約208円)だ。

    バイクも少ない。自転車になるとまったく走っていない。

    だから近郊に住む市民はバスを使う。バスにも乗り合いタクシーのような小さなものからミニバス、普通のバス、トラムバスという専用レーンを走る電車のかわりのような三両編成の大型バスまでいろいろな公共バスがくまなく走っている。

    自分たちはTUYAP会場から20座席くらいのミニバスに乗り込む。運転はすさまじく携帯電話で話しながらバンバン飛ばす。車掌がいて料金を徴収しながら停留所ごとに声を張り上げる。

    なぜか自分たちは乗車券を求められずにタダ乗り。車掌にどこまで行くか尋ねられても英語が通じないのでガイドブックを示しジェスチャーをまじえながら意思疎通をはかり乗り換え駅を確認。なんとかたどり着く。

    イスタンブールは長い間の経済難、かつ急激な人口集中と発展、そして細長い金角湾とボスポラス海峡のふたつの海が横たわり鉄道などの交通網の建設が難しいので車に頼るしかないようだ。

    25年くらい前に来たときはうろ覚えだが中近東の小都市の印象だったが現在は巨大なモダンなショッピングセンターがあちこちに立ち高層ビルがモスクのミナーレ(尖塔)のようにあちこちに林立している。

    現在イスタンブールの人口は1300万人くらいで25年間で倍以上になっているそうだ。

    バスと電車をふたつ乗り継いでホテル近くのスルタンアフメットまでたどりつく。明日からは展示会で自由時間は今日と最後の日しかとっていない。ガイドブックで古いハマム(トルコ風呂)が近くにあるのを発見。時差ボケと旅の疲れを癒しにさっそく行くことにする。

    小雨の中、ジャーロウル・ハマムを探す。イスタンブールでは道の名前がヨーロッパの街のように表示されていないから探すのが大変だ。

    やっとたどりつき古式ゆかしき大理石の立派な玄関のジャーロウル・ハマムを見つけ入る。値段を聞くと2年前のガイドブックの倍になっている。3コースがあって素入浴40リラ(2300円)とアカスリ付60リラ(3400円)、アカスリ&マッサージ80リラ。高い!

    なんと値段表には日本語もあった。アカスリを三助と書いてあるのが笑える。もちろん女性用のハマムもある。

    自分は一番安い素入浴にする。エントランスホールの中央には大理石の大きな噴水があり、囲むように1、2階に小部屋がいくつも設けられている。

    奥に進み、下足番にチケットを渡すと2階に並ぶ部屋のひとつを教えられ着替える。2畳ほどの部屋にはベッドがあり腰巻きが用意されていた。素っ裸にそれをまとい扉に鍵をかけて再び下足番に戻るが、その姿は入ってくる客から丸見えだ。

    このハマムは1741年創業ですべてがアンティークなかなり年代を感じさせる木と大理石でできていてアラベスクなデザインが何とも言えない異国情緒を感じさせる。

    係の人に小さな石けんをふたつ渡され腰巻きをつけたまま浴場に入る。

    中は薄暗くとても湿めった生暖かい空気に満たされ、すべてが大理石で丸天井に小さな丸窓がいくつも開き小さなモスクぐらいの広さがあった。中央には直径6メートルくらいの六角形の寝台?があり先客がその上で思い思いに寝そべっている。

    浴場全体も六角形で壁際には蛇口2つと水受けが並んでいる。シンクにはシンバルを深くしたような真鍮製?の手桶がひとつ置いてあった。それで水を汲んで浴びる。あちこちにトルコ人の三助にアカスリやマッサージを受けている客がいる。

    生暖かい中途半端なサウナの印象で物足りなさに少しがっかりした。もちろん湯船なんてない。仕方ないから中央の寝台に寝そべる。天井から水滴が顔に落ちる。

    あれれっ?! だんだんと体全体が暖まってくる。熱くなってきたので壁際の洗い場でもらった石けんで体を洗う。この石けん、ショウガとジャスミンの混ざったようなさわやかな香りがしてとてもいい。

    壁上に案内板が掲げてあり、チップを払う必要はないと丁寧に書いてある。三助へのチップのことだろう。基本的にトルコはチップの習慣はないらしい。

    だんだんとリラックスしてくる。一箇所、小さな部屋がありそこだけがサウナのようにかなり熱かった。

    う〜ん。かなりイケるぞ。熱くないのが物足りないが室温が低いせいで長くいられる。寝そべってはお湯をかけてを繰り返し、すっかりリラックスしていて、芯底温まってとても気持ちよかった。

    入り口にはここを訪れたF1レーサーからハリウッドスターなど著名人のサイン入り写真がたくさん飾ってあった。

    外に出ると風はまだ強かったが雨は上がっていた。

    ※写真はハマムエントランスホールと玄関(小さくてわかりにくい)
    hamam.jpg

    hamam_entrance.jpg
    HORMONE SEKINE OFFICIAL SITE | comments(1) | trackbacks(0) |
    イスタンブール滞在記 2
    大雨の中タクシムスクエア一帯の中心街を歩き回わり宿泊先アナドールホテルに帰ることにする。

    アナドール(ANADOLU)とはトルコ語で現在のトルコがある西アジアのアナトリア半島のことだ。

    このホテルはイスタンブール行きが決まってネットで探して予約した。場所も部屋も値段からいって悪くない。なにせ9泊するからなるべく安いところを探したのだ。

    ホテルに着くと主催者から電話が入っていたので連絡をとり翌日の段取りをお互い片言の英語でやりとりするがホテルのスタッフは主催者より話せたので最終的に通訳してもらう。

    朝、起きると雨は小ぶりになっていた。朝食をすませ待ち合わせ場所のタキシム広場へ。前日、傘を壊しながら街中を歩いていたのが幸いして辿り着くことができた。

    ついにワールドワイドアーティストフォーピースの主催者に対面。お互い感動のハグ。ここ3カ月メールでやりとりしていたので旧知の仲のような感覚。

    トルコ人の彼女は50半ばくらいで指導職をリタイアしてアーティスト活動を続けているとても気さくでパワフルな女性だった。

    彼女の車で今回の会場のTUYAP(国際会議場)へ向かう。

    イスタンブール市内もそうだがどこへ行っても渋滞がすごい。ここは鉄道など交通手段が整っていないので移動は車しかない。ひとつの理由は起伏の激しい地形や金角湾やボスポラス海峡などが鉄道などのインフラ整備を邪魔しているのだ。

    途中の景色はまるで日本と変わらない。大きなショッピングセンターや高層マンションやらが立ち並び東京近郊にいるのかと錯覚してしまう。時折り空に突き刺さるような尖塔とモスクが現れてトルコだったと現実に引き戻される。

    会場は幕張メッセやビッグサイトと変わらないくらい立派で大きな国際会議場だ。中に入るとドでかいホールに展示作業をする工具の音が鳴り響いている。

    思っていたよりぜんぜん規模が大きく飾ってある絵も質が高い。やはりどこかに中近東、イスラム文化圏のイメージがあったことは否定できない。

    アートフェアと同時にブックフェアも開催され、どちらかというとブックフェアの方が有名だそうだ。

    イスタンブールアートフェア/ARTIST2010 にギャラリーは言わずもがな企画展示も合わせて開催されている。自分が招かれたグループもこのARTとISTANBULを合わせたARTIST2010 に選出されているという。

    とりあえずパフォーマンスをやる場所を確認、スケジュールやら備品のチェックをし展示の手伝いもした。

    自分たちは一足先に帰ることにしたが市内へ戻る手段がひとつしかない。明日開催されれば送迎バスが運行するがそれまではローカルバスを乗り継いで戻るしかないという。

    バス停まで送ってもらいミニバスというマイクロバスの路線バスに乗り込む。ほとんどわからないトルコ語ではたして無事辿り着けるだろうか。

    続く
    HORMONE SEKINE OFFICIAL SITE | comments(1) | trackbacks(0) |